厩橋どんぶり塚古墳
 
上毛古墳綜覧(昭和10年群馬県下一斉調査・昭和13年発行)をベースに巡る古墳ブログ    群馬県外の古墳にも浮気しつつ、ゆるゆると更新停滞中
 



2011年3月8日を表示

新田郡鳥之郷村第66号鳥崇神社古墳その6

さて、本古墳を語るとき、どうしても避けられないのがこのマウンドの存在
見ての通り鳥居が建ち、頂部には小祠が鎮座するのだが、太田市教育委員会ではこれが何の神様を祀っているのか、把握していないらしい



平成13(2001)年の確認調査では、このマウンドについては測量調査だけが行われており、発掘調査はしていないとのこと
報告書では「中島」と題されてはいるが「平面形は円形でなくどちらかといえば繭形を呈しているといってよい」とある



規模については「最大長軸長約6m、最大短軸長約4.3m」とあるが、これを鳥崇神社古墳の中島とみていいかどうか、個人的には疑問視したい
前方部を完全に削平された状況で、中島が現存するとは考えにくく、また仮に中島であるとしても、裾部が墳丘本体に連結してしまう場所でもある



複数の古墳研究専門家に非公式に問い合わせたところ「前方部そのものが存在しない大型円墳の可能性」、「中島ではなく造り出しの可能性」も指摘されており、個人的にはやはりこれは造り出しもしくは前方部削平の残土で造られた後世の信仰塚であると推定したい


古い資料ではあるが、群馬県遺跡台帳には「周堀と造出がみられる」と記載されている
仮に中島であったとすると、太田市のホームページに拠れば、もう一対の中島はこの民家のあたりに所在したことになるが、これも調査はしていないとのこと
まだまだ、本古墳周辺の謎は解き明かされていない。今後の専門家の研究に期待したいところである



2011年3月8日(火)20:53 | コメント(0) | 太田市 | 管理


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